発達障害や自閉症スペクトラム障害と間違えやすいと言われている障害があります。
『愛着障害』です。
愛着障害とは、幼少期に親との関わり合いが不十分だった為に、情緒面や対人関係に問題が現れてしまうことです。
人と関わろうとしない、落ち着きがない、感情のコントロールが出来ない、意地っ張り、巧妙に嘘をつく等の問題行動が見られます。
生まれてからの赤ん坊を無表情で機械的に養育したところ3ヶ月で死亡した、という研究もあるほど、愛着(アタッチメント)は重要です。
数年前によく聞いた学校の宿題の中で、『ハグ』という宿題がありました。
これはお父さんお母さんと子どもが抱き合うことです。
ハグが出来たら音読カードと同じように親からサインをもらうという宿題です。
今の小学生の宿題では見かけませんが、かきとりノートの取り組み方に変化が見られます。
小学1年生のかきとりノートの字を親がチェックする、というものです。
「児童クラブの先生に宿題を見てもらいたい(教えてもらいたい)」と言う子どもたちに問いました。
「なぜ学校の先生は、児童クラブの先生じゃなくて、お父さんお母さんに宿題を採点してもらいたいと思っていると思う?」
子どもたちは言います。
「字が上手になるため!」
「間違えないようになるため!」
「たくさんポイントがもらえるようになるため!」
「学校の先生が丸つけ面倒だから、先生が楽するため!」
児童クラブの先生からは、
「それもあるかもしれないけれど、もっと大事なことがあるよ。」
と伝えました。
「お父さんお母さんと一緒に過ごす時間、お話をする時間を、もっと大切にしてほしいと思っているんじゃないかな?」
親子が対話できる時間は人生で正味7年ほど。睡眠時間(人生の30%)と比べても短く、今が本当に貴重な時間です。
難関大学に合格する家庭ほど、低学年のうちは親が勉強を見ているというデータもありますが、勉強面に関わらず、親子の信頼関係を築くには語らいの時間は大切です。
『一家団欒が愛を育む』と心理カウンセラーの師匠が教えてくれました。
子どもたちの話に耳を傾け、共感したりほめてあげることで、自己肯定感を高めることができます。
親子一緒に過ごす時間が、人との距離感をつかんだり、ストレスを回避する力、子ども自身で決断する力にもつながっていくのです。
今、心身症や鬱に悩む小学生も少なくありません。
早め早めの対応が子どもたちを救います。
勉強だけでなく、生きていく力、人生の土台をつくる親子関係は、小学1年生までが勝負といっても過言ではありません。
